AI中心のコンピューティングの世界が来る:「ソフトバンク 新30年ビジョン」(2010年6月発表)

ソフトバンクグループ株式会社(以下、SBG)CFOの後藤 芳光は2025年3月期 決算説明会で「『情報革命で人々を幸せに』という経営理念のもと、ぶれずに歩みを進めてきた」「『ソフトバンクグループは情報革命屋である』とし、創業時のソフトウエア流通のインフラ構築から、現在のAIに至るまで、必要とされる情報サービスを人々に使ってもらうため、その時代に応じた『情報』のインフラを整備し続けてきた」と語りました。

この思いを明確に示したのが、会長兼社長の孫 正義が創業30年の節目を迎えた2010年6月に発表した「ソフトバンク 新30年ビジョン」(以下、「新30年ビジョン」)です。これは、ソフトバンクグループが次の30年も引き続き情報革命で人々の幸せに貢献し、「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」を目指すという方向性を定めたものであり、孫は「人類と人工知能のあらゆる知識と知恵を徹底的にクラウドに蓄積して人類最大の資産とし、世界中に生まれる最先端のテクノロジー、最も優れたビジネスモデルを持つ同志と一緒になって、ライフスタイルを革新していきたい」と述べました。当時は、スマートフォンがようやく普及の兆しを見せ始めた頃でしたが「新30年ビジョン」では、すでにAI時代を見据えた数々の展望を打ち出していました。

「脳型コンピュータ」と「超知性」の登場を描く「新30年ビジョン」

「新30年ビジョン」において孫は「創業者の私の最も重要な役割は、最低300年続くソフトバンクグループのDNAを設計することです。大きな方向性を定め、その方向性に向かってたゆまぬ努力をすることが一番大切。そういう意味では30年というのは単なる一時期でしかなく、創業からの30年は300年の中での第1チャプター、次の30年というのは第2チャプターにすぎません」と語りました。そして、「300年のビジョン」として、コンピュータの進化が人類にもたらす大きな転換点として、「脳型コンピュータ」の登場と、その先にある「超知性」の登場について触れています。

従来のコンピュータはCPUやメモリーを持ち、プログラマーがプログラムして初めて計算することができます。一方、「脳型コンピュータ」は、人間の脳のように、誰かがプログラミングするのではなく自分でデータ(知識)を集積し、自ら学習しながらプログラムしアルゴリズム(知恵)を獲得していく全く新しいコンピュータです。

出典:ソフトバンク 新30年ビジョン プレゼンテーション資料(2010年6月)

このような脳型コンピュータと人間との共存を実現するうえで、「新30年ビジョン」では人間の脳が持つ特性にも着目しました。それは「感情」です。知識や知恵だけでなく、最も高い次元にある愛をも備えた知能こそ「超知性」であり、人間が人間を幸せにするように、機械が人間を幸せにするように、「超知性」のコンピュータが人間を幸せにするために共存していく社会にしていきたいと「新30年ビジョン」では考えたのです。

出典:ソフトバンク 新30年ビジョン プレゼンテーション資料(2010年6月)

「超知性」がもたらす300年後の未来

「新30年ビジョン」では、300年後の未来には「超知性」が人々の生活に深く根ざし、私たちの幸せを実現するための存在となっているだろうとしています。

出典:ソフトバンク 新30年ビジョン プレゼンテーション資料(2010年6月)

孫は「新30年ビジョン」のプレゼンテーションの中で、こう語りました。「脳型コンピュータと筋肉(モーター)が結びつけば、それはロボットとして社会に広く浸透していく可能性があります。災害救助や医療現場、家庭内での支援など、さまざまな場面で活躍するロボットが、日常に自然に存在しているかもしれません。そして、脳型コンピュータが自ら新たな発明や技術を生み出し始めることで、未知のウイルスや大地震など、人類が今まで解決できなかったような、人智を超えた難題にも脳型コンピュータと一緒に解決していく時代が来るかもしれません。ソフトバンクグループは優しさを持った知的ロボットと共存する社会を実現したい。そのとき、強みを発揮する企業は、いわば筋肉(モーター)作りの得意な自動車・家電メーカーとは限りません。筋肉に何を指示するかという頭脳の部分が一番難しいからです。ソフトバンクグループの強みはその頭脳にあります。」

われわれは、2010年に発表した「新30年ビジョン」において、人々の幸せのために、このような脳型コンピュータを広めていきたい、情報革命を広めていきたいと考えました。

ソフトバンクグループが目指す世界

「新30年ビジョン」の発表から約15年が経ちました。その後のAIの進化のスピードは著しいものがあり、情報革命は新たなステージに進んでいます。2020年6月のSBG定時株主総会の場で、孫は「新30年ビジョン」を改めて引用しつつ「30年以内には脳型コンピュータが実現する。AI中心のコンピューティングの世界が30年以内に来る」と語り、さらに2024年10月の法人顧客向けイベント「SoftBank World 2024」において「超知性は10年以内に実現するであろう」と語りました。

SBGは、AIの力を活用して、より安全で心躍る未来の実現に貢献しつつ、教育、医療、環境といった多様な社会課題の解決にも取り組んでいます。一方で、戦争、パンデミック、伝染病、さらには地震や気候変動など、人類の叡智だけでは解決が困難なものも多く存在しています。SBGは、知恵や知識だけでなく、感情や愛といった人間らしさをも備えた「超知性」の実現によって、これらの課題が解決できると考えています。

2024年6月の定時株主総会では、孫は「情報革命で人々を幸せにするのが唯一最大の本業で、それを ASI (人工超知能)を実現しながら、人類のこれからの圧倒的な進化を遂げることに貢献したい」と語りました。

このように、SBGは創業以来掲げてきた「情報革命で人々を幸せに」という経営理念のもと、今後も変わることなく、未来に向けてその実現に取り組み続けていきます。

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