ASIのNo.1プラットフォーマーを目指して:第45回定時株主総会より

ソフトバンクグループ株式会社(以下、SBG)は、2025年6月27日に第45回定時株主総会を開催しました。議長を務めたSBG会長兼社長の孫 正義は、今後の成長戦略を説明し、10年後の目標として「ASI(人工超知能)のNo.1プラットフォーマーになりたい」という決意を表明しました。

ASI実現に向けて

孫は、ASIについて次のように語りました。「人間の知能を超えるインテリジェンスを持つ存在であり、AIがASIとして備わると、あらゆる世界が根底から変わる」。こうした変化を見据え、孫は「ASIの世界において産業の中核を成す礎となる産業基盤である、プラットフォームを構築・提供する企業が中心的役割を果たすこととなる。そしてSBGはそういった存在になりたい」と述べました。

SBGが「ASIのNo.1プラットフォーマー」を目指すに当たり、孫はその実現に欠かすことのできない2社について説明しました。

アームの成長とAI半導体領域の強化

アームは、累計3,100億個のチップを世界に供給しており、スマートフォン、パソコン、自動車、クラウドサーバーにまで広く利用されています。孫は「2025年末には世界中のクラウドサーバー向け新規チップの50%がArmベースになる見通しである」と紹介しました。

AI半導体領域の強化として、SBGはGraphcoreを買収、Ampere Computingの買収を発表しました。孫は、アームが半導体チップの前工程となる設計を担い、GraphcoreとAmpereがそれを製品にするための後工程を担う存在であると説明しました。

OpenAIへの出資とクリスタル・インテリジェンス

OpenAIは、生成AI分野で5億人の週間アクティブユーザーを有し、提供するサービスにおいては複数の博士号の試験に合格するレベルの知能性能を実現しています。孫は、SBGがOpenAIに最大4.8兆円※1を出資する方針について触れ、これは未上場企業への投資として世界最大級であり、「AIの世界に賭けている」と語り、この出資がASI実現に向けて極めて重要なものであるとの考えを示しました。

また、今後設立予定のOpenAIとの合弁会社を通じて提供を予定している、企業ごとにカスタマイズされた最先端AIである「クリスタル・インテリジェンス(Cristal intelligence)」についても言及。まずは全ソフトバンクグループ各社に数多く存在する社内システムを統合し、スーパーインテリジェンスとして活用すると説明しました。さらに、能動的なエージェントに加え、物理的なロボットにAIが搭載されることで、ホワイトカラー(知的労働)だけではなくブルーカラー(肉体労働)のさまざまな領域にも浸透し、物流、医薬、製造、設計、発明など、ありとあらゆる産業が根底から変わる、と述べました。

ASIのNo.1プラットフォーマーへ

孫は、成長戦略説明の締めくくりに当たり、質的な能力である「超知能」はその能力に加えて「優しさ」「愛情」「人間性」などを備えた「超知性」にまで進化すべきだと語り、超知性こそが、創業以来の「情報革命で人々を幸せに」という経営理念につながると強調しました。そして「10年後にASIのNo.1プラットフォーマーになりたい」との決意を改めて表明しました。

  • 最大300億米ドルを1米ドル=149.52円で換算。
  • 内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。

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