2026年8月6日、ソフトバンクグループ株式会社(以下、SBG)は2027年3月期 第1四半期決算説明会を開催しました。CFOの後藤 芳光は、SBGがASIのNo.1プラットフォーマーを目指し、4つの領域における取り組みを進めていることを説明しました。
2026年6月末時点のNAVは過去最高を更新
重要指標であるNAV(時価純資産)は2026年6月末時点で72.3兆円となり、過去最高を更新しました。
2026年8月5日時点の株価・為替レートを適用して試算した参考値は58.3兆円となりました。後藤は、NAVが短期的な変動を経ながらも、長期的には大きく成長していることを示し「良いときも悪いときも、株価の短期的な変動に一喜一憂は全くしていません。これが中長期に自分たちのどのような基盤になり得るか、そしてそれがどう成長していくかが、何よりも重要なテーマだと考えています」と述べました。
財務の安全性を示すLTV(純負債/保有株式価値)は2026年6月末時点で13%と、通常時25%未満で運用する財務方針を下回ります。手元流動性は負債の返済や、投資に伴い2.3兆円となりましたが、今後2年分の社債償還資金1.5兆円を上回る水準を確保しています。
当第1四半期は、IntelおよびByteDanceの公正価値増加が押し上げ要因となり、投資利益は1.86兆円となりました。親会社の所有者に帰属する純利益は3,473億円でした。
ASI実現に向けた4領域における取り組み
SBGは、ASIのNo.1プラットフォーマーを目指し「AIモデル」「AIチップ」「AIインフラ」「フィジカルAI」の4つを重点領域として位置付け、取り組みを進めています。
後藤は、「なぜわれわれがAIインフラに一生懸命取り組むのかというと、OpenAIを含む多くのAIモデルの進化のスピードをより高めていくためです。AIインフラの整備を進めていくことで、AIチップの領域で圧倒的なシェアを持つArmの成長も加速することになります。人々のライフスタイルやワークスタイルを大きく変えていくために、強い関心を持って、フィジカルAIの領域の取り組みも始めているところです」と、4つの領域が密接に関連していることを強調しました。
OpenAIのAIモデルは継続的に進化
AIモデル領域では、OpenAIへの追加出資を進めています。2026年2月にコミットした300億ドルの追加出資のうち、同年4月と7月にそれぞれ100億ドル、計200億ドルの出資を実行しました。10月に残る100億ドルの出資が完了すると、OpenAIへの累計出資額は646億ドルとなり、SBGの持分比率は約13%となる見込みです。
OpenAIのAIモデルは進化を続けており、2026年7月にはGPT-5.6がリリースされました。後藤は、同モデルを「自律的に実務を進めるAI」と説明し、その高い性能とコスト効率に言及しました。同月には、ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)とSB OAI Japan合同会社が、サイバーセキュリティー対策ソリューション「Patching as a Service」の日本国内における本格提供を開始し、後藤は、投資先同士が連携しながら互いの価値を高めていく好事例の一つとして紹介しました。
Armの売上高は第1四半期として過去最高に
AIチップ領域では、Armの当第1四半期の売上高が12.9億ドルと、第1四半期として過去最高を記録しました。
IP事業では、データセンター向けArmベースCPUのコア累計出荷数が、2026年6月末時点で15億個を突破しました。また、テクノロジー企業によるArmベースCPUの採用拡大も、Armの成長を牽引しています。
Windows PCでのArmベースCPUの採用も拡大しており、ArmはPC市場でも存在感を高めています。また、チップ事業では、「Arm AGI CPU」のローンチパートナーとしてOracleとVerdaの2社が新たに加わりました。
3拠点を中心にAIデータセンターの構築を推進
AIインフラ領域では、2026年6月、フランスで5GWのAIデータセンター構築をエマニュエル・マクロン仏大統領が主催する「2026 Choose France」サミットの一環で発表しました。第1フェーズでは初期投資として450億ユーロを投じ、2031年までにフランス北部において3.1GWのAIデータセンターを整備します。
米国オハイオ州パイク郡では、10GW規模のデータセンタープロジェクト「PORTS Technology Campus」のリース契約締結に向けた協議を進めており、2026年中の建設着工を予定しています。すでにOpenAIと長期リース契約を締結している米国テキサス州ミラム郡のAIデータセンターでは、第1棟(308MW-IT)の建設が順調に進んでいます。また、ソフトバンクとSBGは、米国でのネオクラウドサービスの提供に向けた取り組みを開始しました。同事業では、グループ会社であるSB Energyが開発する電力インフラやAIデータセンターなどのリソースを活用します。
フィジカルAIの展開
フィジカルAI領域では、多くの投資先で社会実装の動きが活発化しています。SBGは「ロボティクス」「ファクトリーオートメーション」「モビリティ」などの領域で30社超に投資しており、2026年中にはABBのロボティクス事業の買収完了を予定しています。後藤は「買収が完了すると、起業家たちのアイデアとABBの技術が掛け合わさって多くのシナジーが生まれ、ロボティクスの実装が加速するのではないかと期待しています」とコメントしました。
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業の累計投資利益が増加
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下、SVF)事業では、活動開始以来の累計投資利益が473億ドルとなりました。
レイトステージ投資先の公正価値は合計で1,330億ドルとなりました。
財務方針に変更なし
SBGは、通常時はLTVを25%未満で運用すること、少なくとも2年分の社債償還資金を保持することを財務方針に掲げています。後藤は「財務方針には全く変更ございません」と述べ、引き続き財務の安全性を堅持していく考えを示しました。
2026年度の残りの期間における投資として、OpenAIへの追加出資の最終拠出分となる100億ドルに加え、ABBのロボティクス事業買収の最終払い込み54億ドル、そしてDigitalBridge買収のための31億ドルを予定しています。
ASIのNo.1プラットフォーマーへ
後藤は最後に「改めて、この4領域にこれからも徹底的に注力して、われわれの企業価値を高めてまいります」と語り、説明会を締めくくりました。
関連リンク
2027年3月期 第1四半期 決算
著者:AI⇒SoftBank Group編集部