ASI時代が来る中で、4つの領域で世界一を目指す ―ソフトバンクグループ株式会社 第46回定時株主総会

2026年6月24日、ソフトバンクグループ株式会社(以下、SBG)の第46回定時株主総会が開催され、会長兼社長の孫 正義が議長を務めました。報告事項、決議事項、成長戦略の説明および質疑応答を行い、「剰余金の処分の件」「定款一部変更の件」「取締役9名選任の件」の3議案が原案通り承認可決されました。

ASIのNo.1プラットフォーマーに向けて

成長戦略の説明の中で孫は、AIが情報を提供し、画像や映像を生成する段階を超え、自ら考え、24時間行動する「エージェントAI」に進化していると述べました。そしてその先にあるのが、人間の知能をはるかに超える「ASI」です。孫は、このASIについて「人間に理性やバランス、道徳があるように、最近のAIモデルでは、そうした考え方を大切にして思考することを取り入れ始めている」と説明。こうした思考を取り入れたASIを「超知性」と表現し「ソフトバンクグループはASI、超知性の時代の文明を支える社会基盤、プラットフォーマーになっていきたい」と述べました。

続けて孫は、自身が19歳のときに打ち出した事業家としての「人生50カ年計画」に言及し、「SBGの成長に僕自身がもう少し役立てるのではないかなということで、この50カ年計画を修正したい」と述べました。そして、70代で「ASIをとことんやり抜く」と語り、ASIのプラットフォーマーとして世界一を目指す考えを示しました。

ASIとPhysical ASI

孫は、2010年に発表した「ソフトバンク 新30年ビジョン」において、脳型コンピューターが実現し、人間が知的ロボットと共存する未来を描いていました。現在の言葉に置き換えると、当時描いていた脳型コンピューターはASI、知的ロボットはPhysical ASIに相当します。孫は「まさにそうなりました」と述べ、16年前に描いた未来が現実になり始めているとの認識を示しました。

ASIは、人間とAIの融合によって、人間の知能を飛躍的に拡張します。1人の人間が1,000人分の仕事をこなせるようになり、一人ひとりに寄り添う教師や研究者、医師のような役割を担う存在が実現します。Physical ASIは、超知性を身につけたロボットで、現実世界で活動する存在です。24時間自律的に稼働し、過酷な環境でも作業を担うことで、人手不足の解消につながります。

孫は「ASIによって人間は進化するが、人間を置き換えることはできない」と述べ、ASIを人間の進化を支える道具であり、同僚であり、相棒であると位置付けました。

ASI時代が来る中で、4つの領域で世界一へ

SBGは、AIモデル、半導体、AIインフラ、ロボットの4つの領域で取り組みを進めています。

AIモデルの領域では、投資先であるOpenAIが、超知性に向けたモデルの高度化を進めています。半導体の領域では、Armが自社設計したCPUを製品として提供することを発表しました。生成AIが進化し、自律的に行動するエージェントAIの時代において、Armには飛躍的な成長が期待されます。その半導体を使用したサーバーによるシステムを支えるAIインフラの領域では、2026年3月に米国オハイオ州で10GW規模、同年6月にフランスで5GW規模のデータセンタープロジェクトを発表。ロボットの領域では、2025年10月にABBのロボティクス事業の買収を発表しました。また、そのほか数十社のAIロボットカンパニーを傘下に収めています。

孫はこの4つの領域をオセロの“四隅”に例え、「オセロでは四隅を押さえれば盤面が一気にひっくり返る。われわれは、新しい超知性の時代が来る中で、この“四隅”を押さえていきたい」と説明。そのうえで「この4つの領域で世界一に、圧倒的No.1になりたい」と力強く語りました。

群戦略で継続的な成長を目指す

「しかし、多くの株主の皆さんも半信半疑だと思う。ただ、考えてみてください」と孫は続け、SBGの価値の見方について説明しました。SBGは戦略的投資持株会社であり、2026年6月23日時点のSBGの時価総額は37兆円でした。一方で、ArmやOpenAI、ソフトバンク株式会社などの保有株式価値を含めたNAV(時価純資産)は同日時点で74兆円となりました。

さらに、孫はこれまでのNAVの推移についても振り返りました。SBGのNAVは、1994年(いわゆる「店頭公開」による株式市場への上場)の2,000億円から始まり、2010年(「ソフトバンク 新30年ビジョン」発表)に3兆円、そして2026年6月23日時点で74兆円まで拡大しました。

孫はSBGを「金の卵を産むガチョウ」、NAVを「金の卵」に例え、評価すべきは「金の卵」だけでなく、それを産み続ける「ガチョウ」そのものの価値であると説明。SBGは74兆円という「金の卵」だけでなく、それ以上の価値を持つと語りました。

そのうえで「過去は良かったとしても、この先はどうなのだろうか」という点に対し、孫は「ここから16年間で、NAV1,000兆円を目指す」と発言しました。

SBGの役割は、情報革命、特にAIの分野において、これまで培った専門的なノウハウを活用し、「金の卵」となる事業会社を見いだして投資・育成することにあります。孫は、群戦略によってそれぞれの投資先企業がシナジーを生み出し、助け合いながら成長を目指す考えを示しました。

また「AIはバブルではないのか」という懸念に対し、孫は、インターネットの黎明期にも「ネットバブル」と呼ばれた時期があったが、この30年でインターネット企業が大きく成長したことに触れました。そして「AI革命はまだ始まったばかり。AIの底力は、ここから一気に広がっていく」と述べました。

情報革命で人々を幸せに

最後に孫は、亡き父との思い出を振り返りました。父から「金のための人生を生きるな。人を幸せにするために生きろ」と言われたことに触れつつ、お金のためではなく、人々が幸せになるために、AI革命や情報革命を行うのであると説明しました。AIが人々に笑顔をもたらす未来の実現に向けて、SBGは今後も取り組みを進めていくとの考えを示し、成長戦略の説明を締めくくりました。

関連リンク
第46回定時株主総会
ソフトバンク 新30年ビジョン

著者:AI⇒SoftBank Group編集部

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